RITAPONTE 新宿区のリハビリ専門デイサービス リタポンテ

また外出できるようになり、買い物に行きたい

A様 女性 90歳

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ご本人「また外出できるようになり、買い物に行きたい」

経過・普段の様子

2019.7の夜間にゴミを出そうとして勝手口から出た際に滑ってしまい転倒。右大腿骨転子部骨折(γネイル術?)にて入院。搬送先の病院(医療セン ター)に1ヶ月、転院先(代々木病院)に1ヶ月半リハビリ入院され、退院後3週間程度経過して当施設に通所される。当時は、特に座っていると腰痛も強 くなり、横になることが多くなっていた。退院後は認知面(主にスケジュールや短期記憶)の低下も見られていた。受傷前はよく外出していたが、退院後 は外出の際にはだれか付き添いがいないといけない状況になり、全然外出ができなくなっていた。上手く歩けず、ふらつきや躓きやすい状態であった。

既往歴

右大腿骨転子部骨折、両耳難聴気味(補聴器をご家族は進めているが、本人は煩わしく感じており「つけるくらいなら聞こえなくても良い」との事)、血圧高め(降圧剤服薬)、骨粗鬆症(骨折後から服薬開始)

生活背景

ご主人(90歳、元気で自転車も乗っている)と二人暮らし。以前は布団で寝ていたが、退院後はベッドに変更。日中はベッドに腰かけている事が多く、横に なったり、テレビを見ていることが多い。ご主人や子供さんが買い物して、家事という家事はあまり出来ていない。9時頃起床し、夜はテレビを見たりし て23時頃就寝。

理学療法士 所見

T字杖歩行は不安定ながらも可能ではあったが、右股関節関節可動域低下(右股関節を曲げ伸ばしが十分にできていない状況)、とくに右股関節外転筋の 筋力低下(外側に足を開く運動、片足立ちの時に必要な筋力が低下)していた。また、歩容から観察できたことは、右足での支持の時に重心移動が少なく (右足に十分に体重をのせられず)、また右足の振り出しが小さく(右足を前に蹴り出すことが不十分)、歩幅が小さく、左足への負担が大きく、非効率 な歩行となっていた。

このままいくと・・・どうなるのか

歩けない→動かない→座りっぱなし→腰痛悪化→横になる→脚力低下→認知面低下となり、寝たきりへと近づいていく状況。ご本人も危機感を持っている
今の段階で、ある程度の負荷をかけたトレーニングを実施することが重要。軽い運動では廃用を遅らせる程度でしかなく、歩行自立は困難。

ここで介入するとどう変わるのか

ある程度の負荷をかけた脚力強化、身体活動量の増大させることにより、歩行に必要な筋力、持久力、バランス能力を高めることが可能。入院期間から推 測すると、5ヶ月〜10ヶ月程度で歩行能力を安定させることができるのではないかと思われる。ご本人からすると慣れないトレーニングなので少し努力が必要になるが、1〜2ヶ月程度、トレーニングが習慣化するまでがその後の日常生活に重要な期間となる。

考察・目標

骨折部位に関するトレーニングの必要性があり、右足の機能面を考慮しながらトレーニングを進めていく必要がある。普段の生活背景から身体活動量は明らかに減っており、体力面の向上も同時に必要。歩行能力を再度獲得し、ご自身で動ける環境を作っていくことが重要。そのため、歩行能力の向上、動きやすい自宅にするための環境整備し、能動的に動く習慣を取り戻すことを目標とする。

実際のプログラム時の目的

脚力強化、股関節・膝関節・足関節の協調性の向上のため筋力トレーニング(マシン・チューブ・ボール使用)・関節可動域訓練、また動作時の姿勢を安 定させるために体幹トレーニング(マシン・TRX)、立ち上がり・歩行に必要なバランス・動作反復トレーニング(TRX)を実施する。
定期的に日常の活動の様子をヒヤリングし、痛みや体調に応じて負荷量(重さ、回数やセット数)を調整し経過観察を行う認知面に関して、見当識や行動予測などを意識して行動するため、定期的なご利用を促し週間スケジュール化し生活リズムができるようにアプローチする。また、利用時は他の方との会話やトレーニングの管理など行動を能動的できるようにサポートしていく。
随時、歩容を確認しプログラム間を活用して自立歩行を促すなど、訓練という形ではなく、移動が自然で、自宅で自立できるようにアプローチする。

ご利用はじめの様子

ご利用時の認知面での影響は前回やっていたプログラム内容を十分に覚えていることがなく、初回利用時のように同じ内容の指導を繰り返すことがあったが、通所回数を重ねることによりご自身のトレーニングプログラム内容を理解される。当初は右足を動かすことに抵抗もある様子で、日によって太もも前面や創部に違和感や痛みを訴えることもあったが、「足を強くしないね」と意欲的にトレーニングに取り組まれた。

ご利用開始して

現在は、利用時はとくに足元など躓かないように促す程度で移動自立。買い物や通院等はひとりでいくことはないがバギーやタクシーを利用して問題なく できている状況。認知面に関しては、体調によってムラはあるものの、事前に予定を確認するなどは息子さんはするものの、外出準備や家事などはご主人 と分担しながら現状を理解して行動している。受傷後、A様がやっていた家庭での役割には変化があったものの、息子さんのサポートされながら身体介護 はなく日常生活を送れている。